野呂幾久子1)、阿部恵子2)、濱井妙子3)、後藤道子4)、鈴木英明1) 、網岡克雄2)、中村美鈴4)、山本憲彦5)、望木郁代5)、中原直哉1)
1) 東京慈恵会医科大学
2) 金城学院大学
3) 静岡県立大学
4) 名古屋市立大学
5) 三重大学
医療系大学生のメンタルヘルスの低さが問題視されている中、精神的健康とレジリエンスの関係、レジリエンスの現状、専攻による差、影響要因について調査を行った。 方法は質問紙調査で、回答者は医学、看護学、薬学を専攻する初年次学生489名であった。その結果、対象者の約4割が精神的不健康な状態にあり、医療系大学生のメンタルヘルスに対応策が求められることが示唆された。 レジリエンスが高い学生は低い学生に比べて精神的健康が良好であったことから、この対応策として、レジリエンスの習得・強化が有効である可能性が示された。 レジリエンスの現状では、医療系大学生のレジリエンスの程度は一般大学生や看護学生と大きな差がなく、下位尺度は「肯定的な未来志向」、「新奇性追求」、「感情調整」の順に得点が高かった。 最後に、レジリエンスに対して社会的スキル、自尊感情、メタ認知が相互に関係しながら影響を与えているとの結果が見られたことから、 これらの要因に焦点を当てた介入が医療系大学生のレジリエンス向上に有効である可能性が考えられた。
村田裕香里1)2)、岩隈美穂1)
1) 京都大学大学院医学系研究科 社会健康医学系専攻 医学コミュニケーション学分野
2) 株式会社メディケア・リハビリ メディケア・リハビリ訪問看護ステーション京都
本研究は、全身性エリテマトーデス患者が自身の就労について考え、対応するプロセスを明らかにすることで、就労支援や情報提供への示唆を得ることを目的とした。 20名に半構造化面接を実施し、分析は修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチを使用した。 対象者は、自身に適した就労や支援情報を得にくい状況に置かれながら、就労の在り方や家庭内役割との両立を模索しており、所属コミュニティの中で存在の不確かさを抱えながら、就労観を現実に適応させていた。 就労する中で、生活全体を包括的に捉えた課題解決や、疾患を抱えながら就労するための社会基盤の整備を求めていることが明らかとなった。 支援として、心理的支援や、就労や家庭内役割の両立を実現させるためにヘルスリテラシーに配慮した早期からの情報提供と、 医療・行政・企業・患者コミュニティ等の多様なアクター間で包括的に情報を蓄積・共有する支援体制の構築が必要である。
管原清子1)、萩原彩乃1)、加藤京里1)、永谷幸子2)
1) 静岡県立大学看護学部
2) 浜松医科大学医学部看護学科
本研究の目的は、同一コホートを対象に4年間実施した無記名自記式質問紙調査により、看護学生のコミュニケーション・スキルの学年進行に伴う推移の特徴を明らかにすることである。 対象は2020年度にA大学看護学部へ入学した学生とし、2020年から2023年に調査を実施した。コミュニケーション・スキルはENDCOREsを用いて測定し、各学年の得点を一元配置分散分析およびTukey-Kramer法で比較した。 その結果、基本スキルおよび対人スキルのすべてのメインスキルで4年次の得点が最も高く、有意差はいずれも4年次と他学年との比較であった。 機能区分も同様に4年次が最も高く、特に1・2年次との間に有意差が認められた。一方、メインスキルおよび機能区分ともに、1~3年次間では有意差は認められなかった。 以上より、看護学生のコミュニケーション・スキルは、4年間の看護教育課程を経る中で連続的に高まるというより、4年次で高い水準を示す段階的な推移であることが示唆された。 この背景には、1年次から段階的に配置された臨地実習や、講義から演習、臨地実習へと発展する教育課程の構成が関与している可能性があると考えられた。
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